俺はこのクラスで、殆ど喋って無い。
話しかけられれば、答える程度だ。

だって意味無いし。俺が飲める血の量が増える訳でもなし。


俺にとって大事なのは、俺が吸血鬼でありアンモラルと名乗ってる事であって、中学生だからとか何だって良い。

ただ、迂闊にシカトするとクラス内の立ち位置が悪くなるだろうし、俺も損しそうだから、取り敢えず返事はしている。




実際、一緒に体育の授業を受けてない女子とは殆ど会話した事がなく、その所為で女子の名前は殆ど分からない。

こないだ、同じクラスの有名人らしい駿河って女子を「分かんない」と言ったら、同じアンモラルであるDesire(ディザイア)に馬鹿にされた。

どうだって良いだろ、そんな事は。







気付いたら、担任の話が終わっていた。

留学生という形の都合で、教室で一番後ろの席に座ってる俺が前方を見たら、一人の男子が振り返って、俺を見ていた。


……あれは、能登っていったっけ?
何だ? アンモラルに何か依頼したいのか?





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