「……ひで、俊秀」


誰かに呼ばれた気がして、目を開けた。

すると母さんと、同じクラスの友達・能登和明(ノト カズアキ)が見えた。


「俊秀、目が覚めたのね」


母さんが安心したように言って、「じゃあ和明君、後はお願いね」と言って部屋を出て行った。


少しだけ人口密度が減った部屋。
よく見ると、天井も壁も見覚えが無い。

……そもそも、此処は何処なんだ?



「なぁ、和明。此処、何処?」

「病院」



……病院?
何でそんな所にいるんだ?


確か、学校を出てから、テスト勉強をしようと急いでた。

あ、確か交通事故に遭ったような。


「俊秀、交差点で車に轢かれたんだよ。で、救急車で運ばれた」


あぁ、そうか。

…待てよ、確か江梨子が一緒にいた筈。





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