……よく見ると人だかりが出来ていて、何故かサイレンの鳴り続ける救急車が止まっていた。




……あー、また事故ったな。
この交差点、坂の一番低い所にあるから、かなり事故が多いんだっけ。

この近く、国道とかの大きな道も多いから、車の量もかなり多いし。どの車も飛ばしてくる。

ま、俺には関係無いけど。
誰かが事故に遭う事で、俺が飲める血の量が増える訳じゃないし。






交差点で信号を待っている間、人だかりに混じって救急車の様子を見る。


救急車には二人、運び込まれている。

一人は傷だらけで血塗れの女。意識不明。
もう一人は傷だらけの男。意識不明。
二人とも、俺と同じ中学の制服を着ている。



……あれ、あの男、知ってるかもしれない。
確か見た事はあるんだよね。
まぁ、どうでも良いんけど。




だけど、この事故は後で、俺が飲める血の量に直結する出来事となる。





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