まぁ当たり前だろ。分かってはいたんだ。
吸血鬼が鏡に映らないのは……。




「……でも良かったよな、美濃。真亜咲ちゃんと付き合える事になって」

「ありがとう、嬉しいよ。本当に因幡の御陰だ」

「そんな事無いっての。美濃の人柄だよ。それを分かってるから、今は真亜咲ちゃんと一緒に笑ってられるんだ」




だって真亜咲ちゃんは、美濃に優しくしてもらった事を覚えてたんだからさ。




「美濃は真亜咲ちゃんのコトで、本当によく笑うようになったな……」




前から表情はよく動くヤツだったが。




「そうかな? 俺、よく笑うようになったのかな?」




金髪の頭を掻きながら照れる美濃。

そのまま、ウチの顔を覗き込んできた。




「因幡は殆ど笑わないよね」




え?
ちゃんと笑ってるつもりだけど?




「ウチが笑ってない?」





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