「で、どうすれば良い? どれだけ取られれば良いの?」

「だから、受け取れないって」




美濃は何回も聞いてくるが、本当に報酬は受け取れない。
だって最初から、真亜咲ちゃんの気持ちは美濃に向いていたから。


ウチがやったのは、二人の想いを確認して、美濃の背中を後押ししただけ。

そんなのは友達であれば誰でもやる事で、報酬もヘッタクレも無いと思う。




「ウチは何もしてない。本当に何もしてない。だから報酬はいらない」

「でも悪いよ、それじゃ。俺の一年半もの想いを、成就させてくれたんだから」

「一年半なんて長さは、どんな結果になろうが、ウチの知った事じゃない」

「やる事はマジ優しいのに、反応が冷たいなぁ。俺、本当に感謝してるんだ」




ニコニコと話す美濃は、スマホを取り出した。
…コイツ、前よりニコニコしてる事が増えたな。

美濃はニコニコ顔から、満面の笑みに格上げした。





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