普通に返事をくれてから、「ああ、そうか」と頷く三河さん。

彼女は知っている。
ウチも、吸血鬼集団・アンモラルの一員だから。




三河さんが去ってから、美濃が「知り合い?」と聞いてきた。




「ちょっとね」

「あの人、美術部の部長だろ? 何かの賞も受賞してるんだよな。マジ凄い」




美濃は本当に感心してるようで、凄い凄いと繰り返す。

……美濃は、文化部だからって馬鹿にしてないのか。
まぁ美濃はそんなヤツじゃないし、そんなヤツだったら真亜咲ちゃんも好きにならないだろう。


美濃が真亜咲ちゃんに告白したら上手くいって、付き合う事になったと聞いたのは、ついさっきの事。
美濃が思い切って電話したら、そのままOKしてもらえたらしい。

良かった良かった。
ウチが縁結びしたからってのもあるけど、幸せな人が増えるのは、本当に単純に良い事だと思う。

……少しだけ寂しい気するのは、何故だろう?





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