「流血ー、具合は大丈夫?」


ドアをノックもせずに、Bloodyが部屋に入ってきた。
ウチは慌てて、ホームセンターの荷物を隠す。
もう、あと何回、Bloodyはノックもせずに、この部屋に入ってくるだろ?


「流血、今日の買い物と夕飯の当番、出来そう?」

「…大丈夫」


そうか、今日は買い物と夕食の当番だった。
土曜日で、補習も無かったから、忘れてた。

この家じゃ、買い物と夕食の当番が、一番大変な仕事とされている。
昼食は個人で用意するから当番はいらないし、朝食も朝が苦手な吸血鬼は手の込んだ物は作らない。作られても食べられない。
つまり、夕食を作るのが一番量を用意しなくちゃいけなくて、大変だからだ。

しかもストアに買い物に行ったら、嫌でも野菜売り場でニンニクの近くを通らなきゃいけないし。
人間にとっては何でも無くても、吸血鬼なら出来れば避けて通りたい。





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