ウチは銀に直接触る事は出来ないから、店員さんに全体を厳重に包んでもらった。
あまりに目立つから、帰ってきた時に、少しBloodyに変な目で見られた。



吸血鬼って皆、直接銀に触る事は出来ないんだよね。
銀って、悪や毒を見分ける力があるらしくて、昔は銀の杯や銀の箸を使って、食べ物とかに毒が含まれてるか調べてたみたい。
銀は毒に触れると、変色するとされてるんだって。
吸血鬼も、その悪や毒に含まれるらしく、銀は反応して、吸血鬼は銀に耐えられない。



ウチがホームセンターで、革手袋と銀の棒を買ったのは、全てを終わらせる為。
拓斗や他の人達の言葉に言い換えれば、”逃げる為”。
だってもう居ないなら、どんなに寂しがっても最初から同じだし、ウチが行動を起こしても何も変わんない。
一緒にいた人達は有限のままだったんだから、もう終わらせてて居ない。
想いは無限でも、兎は吸血鬼と違って有限なんだから。





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