流血のその言葉に、少し安心する。
そのまま流血は、こうも言ってきた。


「ちょっとホームセンターに、買い物に行ってくる」

「俺も行こうか?」


たっくんの心配そうな提案に、だけど流血は首を振った。


「良い。拓斗にも悪いし、……ちょっと一人で行きたいから」

「……分かった。気を付けて、本当に」


ホームセンターまでは少し距離があるけど、充分に歩けるし、私だってよく使ってる。
だから、流血がホームセンターに行きたがった事には、何の疑問も感じなかったんだ。
……本当はもっと、流血を一人にする心配性を、寂しさの裏の危険性を、真剣に考えるべきだった。



後になって聞いたんだけど、本当は流血は、この時には全部を決めてたんだって。
何を買って、何を用意して、自分が何を頼んで、どうしたいのか。

それとも、私達が繰り返し言っていた"逃げても良い"って言葉の本当の意味を、私達はもっと真剣に考えなきゃいけなかったのかもしれない。





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