そこまで流血は考えているのか。
当事者としてなら、流血のその意見はもっともかもしれない。
その意見も分かるけど、端から見ても、今の流血をもう見逃す事は出来ないと思う。


「そんなに苦しんでるなら、もう逃げても良いんじゃね? もう充分だ」


もう充分、分かってると思う。
流血も本当は納得してるだろうし、流血の昔の友達も分かってると思う。


何より、忘れる事も出来ないのに、死ぬ事も出来なくて、にも関わらずに一生覚えてなきゃいけないなんて。
言い方がよく分かんないけど。
何か、もう、終わってる。未来が、無い。


「……逃げても逃げなくても、ここまで来ると、もう同じなのかもしれない」

「え?」


流血が何か言ったけど、意味が分かんなかったから聞き返した。
だけど、流血は答えてくれる事は無く、再びソーセージを噛み始めた。


…………後から考えてみると、流血はもう、全部を決めてたのかもしれない。





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