「…美濃の願い?」

「ああ。三中の三年である、駿河……」

「今日、会う」




最後まで言わなくて良いって感じで、因幡は簡潔に説明した。


人によるとは思うけど、女子ってこんなに簡潔に喋るっけ?

男より自分を大切にしてもらいたくて、自己主張が強いって、どっかで聞いた事があるぞ。


そんな無駄なトコが無くて、あんなに良いヤツなのに気さくだからこそ、俺は真亜咲が好きなんだけど。




「…はぁ」

「相手がどういう人だか分かんないと、ウチだって身動き取れないからね」

「はぁ」




どうやら因幡は、俺の願いを叶えてくれようと動いてくれてるらしい。

それは有り難い。




「そりゃどうも」

「依頼だから」




……コイツは依頼ならば、殺人でも犯せるのか?
冷徹なヤツだ。

で、つくづく表情が動かないヤツだ。





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