確かに、こんなにフラフラしてる流血には、肉とかを食べさせるのが一番良いんじゃないかと思う。
かと言って、俺と同じように朝が苦手な流血にとって、朝からガッツリと肉を食べさせるのは、かなり難しい筈で。
それなら、簡単にかじれるソーセージは、今の流血に相当良い。



「……ところで流血、そのグラサン、どうした?」

「……持ってた」

「いや、そうじゃなくて……」


俺は何気なくリビングに戻って、“トマトジュースを飲んで行くのを忘れた”感じで、冷蔵庫からトマトジュースを出す。
ついでだから、既に一杯飲まれて空になった流血のコップに、トマトジュースを追加する。

俺はそのまま、拓斗と流血の話の続きを聞いた。


「…流血がグラサンなんて、珍しいな。必要無いのに、普段は制服を遵守してるのに」

「あぁ、そういう事か。……隠すのに、丁度良いんだよね」


“何に”なんて、聞く必要も無かった。





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