寂しさと悲しみ、怒りと悔しさに身を任せて、机を叩き続けたウチの拳は。
自分の赤い涙と痣にまみれて、真っ赤になっていた。


叩き続けて、そして泣き続けて疲れたウチは、何も考える事無く、倒れるように机に突っ伏す。
灰緑色の髪が赤い水溜まりに浸かる気もしたけど、そんな事はもう、どうでも良かった。

自分の涙の水溜まりで髪の色が変わるなんて、何だか笑ってしまう。
でももう、笑い飛ばす気力なんて、残ってなかった。
いや、むしろ笑い飛ばす気力が残っていれば、こんなに苦しむ事も無かったのかもしれないけど。



ウチは振り上げた拳を降ろして、赤い水溜まりに浸りながら、静かに眠った。
振り上げた拳を降ろす時に、最後の寂しさと悔しさを込めたら、何だか目の下が痛くなった。
痛くなったのも、泣いたからなのか、他の原因があるのか、全く分かんなかったけど。

“あぁ、今、ウチの目は赤くなってるんだろうな”って、思いながら。





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