昨日はついに、日常をこなしている間に悲しくなった。
現実に戻って来れずに、拓斗に夕飯当番を代わってもらって、皆に迷惑かけた。


どうしてこんなに悲しいんだろう?
ウチ――流血は、相手の幸せを、皆の幸せを願って、ただ自分の想いを黙っていただけなのに。
灰色の毛の男の子の幸せと、薄茶の毛の女の子の幸せを、自分の想いを犠牲にして、何よりも。


また兎に戻って、再会する事は出来ないのかとも思って、色々と調べてみたりもした。
だけど兎の寿命は五年~十一年くらいだと分かった。

当時の年齢と、吸血鬼になってからの人生の年数を数えると、二人はかなり昔に亡くなったんじゃないかと思う。


実際、Desireが小学校に通ってる間に、二人は亡くなったそうだ。
言われてみれば、Desireは小六の時、飼育委員をやってたと思い出した。


例え兎に戻れたとしても、再会するなんて到底無理だって分かった。






.