汗だくで一番最初に見えた物が、家の自室の天井だった。

気付けば、目覚ましがうるさく鳴り響いていた。




「夢か……」




目覚ましを止めて、俺は一人ごちた。


つくづく悪夢だ、真亜咲に嫌われる夢なんて。

ただ、現実じゃなくて良かった。
真亜咲に嫌われたりしたら、俺は息が出来なくなる。





今日は普通に平日で、授業も部活もある日だった。


俺には俺の生活があるし、真亜咲には真亜咲の生活があるから、当たり前っちゃそうだけど。

また真亜咲に逢えない一日が始まる。
あの優しさに触れる事が出来ないんだ。




確かに俺はサッカーが好きだ。

補欠ながらサッカーが出来る今の環境は有り難いし、その環境を整えてくれる北高のサッカー部のマネージャーにも感謝している。


けど、どうしても三中のサッカー部にいた頃と比べてしまうし、あの場に真亜咲がいたから、俺はサッカーをより楽しくできたんだろう。





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