しばらく撫でていると、流血は少しは落ち着いてきたみたい。
眠っているのに落ち着いてきたとか変だけど、実際に流血の悲しそうな叫びは少しずつ小さくなってきた。


「流血、今日は“一緒に”寝ようね」


私は流血の側に横になった。
“一緒に”を強調してみる。

実際にその時に感じてた悲しみを無かった事にする事は出来ないけど、こうする事が流血の寂しさを癒す事に繋がると思ったから。
その時に感じてた悲しみを無かった事にする事が出来ずに、流血の寂しさを癒す事が、本当に意味があるのかは分かんないけど。


「流血、大丈夫だよ、一人じゃないよ。私が一緒だから」


横になってからも、流血の頭を撫で続けてみる。
すると流血は少しは楽になったのか、叫び声はドンドン小さくなっていって、啜り泣く声まで弱くなった。


「流血、大丈夫だよ。大丈夫だからね」


私は片手で流血の手を握り、片手で流血の頭を撫で続けた。





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