植物辞典を本棚にしまい、明日の学校の準備をする。
…いや、日付変わってるから、もう今日なんだけど。
それから目覚ましをセットしてから、ベッドに横になった。


季節はいつのまにかに十月の半ばになって、正直言って掛け布団無しじゃ寒い。
特に朝夕の冷え込みがキツくなってるから、朝起きた時に寒いと、本当に吸血鬼のように「朝は苦手だー」と寝直したくなる。
私は吸血鬼なんだし、全然構わないと思うんだけど、人間界じゃそうもいかないんだよね。


「おやすみー」


誰かに言ってるんじゃないけど、小声で小さく自分に呟いてから、そっと目を閉じた。
今日は調べ物をして疲れてるから、よく眠れそうな気がするな。


しかし、本当に残念だけど。
私がウトウトしてきた頃、寂しげで悲しくてどうしようもないような、泣き声が聞こえてきた。
泣き声というか、もはや限りなく叫び声に近いんだけど。





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