流血は部屋に入ってきたら床にペタッと座って、用事が有るだろうになかなか話し出さない。
普段は部屋に入ったら、たまに冗談とか言いながらはハキハキと要領よく話してるから、それに比べると大違いだ。
 
…やっぱ、過去の事が影響してるのか?
それとも、俺に頼らなきゃいけないような、よほどの悩みを抱えてるとか。
……このままじゃ、埒が開かない。
俺から話しかけてみるか。


「……流血、どうしたの?」


すると流血は、床から俺を見上げた。
気のせいか、目尻が下がってるように見える。
俺は流血が話せるようになるまで待とうと思って、とりあえず単語カードを見る。
普通の人なら「話を聞いてない」って怒るかもしれない行動だけど、流血はそこらへんは分かってるだろうし、まぁ俺には関係無いし。


「……質問が幾つかあるんだ。長くなるけど、良い?」


ほら、流血は話してきた。
長い話は面倒だけど、仕方無いから聞いてやろう。





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