「あまりにも、不自然だから」

「不自然? 普通なんだけど」


違う、そうじゃない。
もっと何かこう、根本的な所で……。


「因幡は何か、俺に隠してない? もしくは、嘘吐いてるとか」


因幡からの返事は無い。


「だって、おかしいだろ! 俺、気付いてたんだよ、前から。因幡の顔や首に、今日のみたいな赤い跡が付いてるの。何かボーッとしてるし、こないだは交通事故に遭いかけたって言うし。誰だって、何かあったと思うだろ!」

「それは……。具合が悪いんだよ、最近。でも、言う必要も無いじゃん」


その言葉が本当かは分かんないけど、俺は“具合が悪い”という言い分だけでも信じる事にした。
それなら。むしろ、それこそ。


「困ってるなら言えよ、何でも良いから。……あのね、俺も真亜咲も、因幡には凄い感謝してんの。だから、何かあったら、出来る限り手伝いたいんだよね。…俺達じゃ頼り無いかもしんないけど」





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