本人も言ってたけど、確かに比べるとクズってほどではないけど……。

月とスッポン、ってところか。




「……で、どうしたの? 駿河真亜咲の血が、そんなに美味いのか?」




ようやくBloodyが、話に食いついてきた。
しかし、目線は古典の暗記だ。

質問の内容がBloodyらしい。吸血鬼の鑑とも言える。




「違う。今度の依頼者の対象、ってだけ」




Bloodyは返事をしなかった。

冷徹なBloodyにとっては、他のアンモラルのメンバーにくる依頼なんて、人が死のうが呪い殺されようが関係無い。




「うーん……、駿河真亜咲さんに限って、誰かに恨まれそうとか無いと思うし……。女子サッカーの県代表を狙ってる人くらいでしょ?」

「Desire、惜しい。残念ながら発想が逆だよ」




こんな良い人なら当然だけど、恨まれてる訳じゃないから。





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