分かんない事があって、自分でも調べられない事があるなら、誰かに聞いてみるに限る。
特に年長者なら、ウチが分かんない事も、経験から分かる可能性があるよね。

ウチはそう思って、拓斗の部屋に行こうとして、ドアを開ける。
すると、ドアをノックするポーズの拓斗が、目の前に立っていた。


「拓斗…。奇遇だね、ウチも拓斗に話があるんだよ」

「そうか、俺も流血に話がある」


そのまま拓斗を部屋に入れて、適当に床に座ってもらった。
ウチはベッドに腰掛ける。


「…で、拓斗はどうしたの? 先に話して良いよ」

「……三河さんから、聞いたんだけど」


拓斗は妙に言いにくそうに、眉をしかめて躊躇しながら喋る。
何だろ? 三河先輩から聞いたって事は、ウチが交通事故に遭いそうになった事かな?


「…流血。道路に飛び出して、車に轢かれそうになったって、……本当なのか?」





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