「聞いてたよ。兎が好きな人と親友の為に身を引いて、寂しさのあまりに死んじゃう話だよね。悲しい話だね」


淡々と、Bloodyの話のあらすじを喋る流血。
どうやら、ちゃんと話だけは聞いてたみたい。
心配して、損した……?


「……本当に、そう思ってる? それだけ?」

「他に何か、意見とか無いの?」


たっくんと私に続けざまに聞かれた流血は、うーんと唸ってから、特に何も無いと答えた。
普通に喋ってる流血だけど、本来は灰緑色のその目は少し赤くなっているような気がした。


「じゃあ、Bloodyが話し終わった後の、たっくんや私の感想は、聞いてた?」

「うん、………あれ?」


流血は首を傾げてから、幾らか考えて、何回か赤っぽくなってる目を瞬きさせた。


「……ごめん。皆が喋ってたのは覚えてるんだけど、何を喋ってたかは全く分かんない。聞いてなかったみたい」





.