「なるほど…。人の気持ちを操作するなんて、並大抵の報酬じゃ済まなくなるよ」




ウチは結局、漫画と昼寝を諦めた。

依頼人・美濃と一緒に、高校近くのファーストフードの店に来ている。




「操作するとか、そんな大袈裟なのじゃなくて、せめてクズの俺を、人間的に好意を持つとか、そんなんで良いんだ」





……とか言ってるけど、本当はその後輩の子に、好きになって欲しいんだろうな。

それを無理強いしないのが、美濃なんだけど。




「……因みに、報酬って何?」

「血」

「…血?」

「吸血鬼ですから。それと証拠として、洗っても擦っても消えない刻印」




そうか、と頷く美濃。
ウチらは慈善団体じゃないからね。




「美濃の好きな子、何て名前?」

「真亜咲。三中の三年生で、駿河真亜咲」




……あれ、三中の三年生なら。
Bloody(ブラッディ)と同じじゃないか。





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