はっとして、気付いたらベッドの中にいた。
どうやら、俺は悪夢を見ていたらしい。




俺、美濃彰(ミノ アキラ)。
北高の一年生で、サッカー部に所属しているけど、当然のように補欠。

金髪にしてるから「怖い人」と勘違いされる事が多いけど、ビビリだし喧嘩弱いしで、自分でも情けない男だと思ってる。







夢に出てきた真亜咲は、駿河真亜咲(スルガ マアサ)という。

俺の通ってた三中の一学年下の後輩で、俺のいたサッカー部のマネージャー。



ところが実際には真亜咲はめちゃくちゃサッカーが上手くて、県選抜にも選ばれているんだ。

にも関わらず、傲らず威張らず、誰にでも凄く優しい真亜咲が、俺は好きなんだ。






…うん、今の俺、さりげなく恥ずかしい事を言った気がする。

でも大事だから。


俺は真亜咲が好き。

俺なんかに比べたら、真亜咲は良いヤツすぎて、勿体無いくらいだけど。


それでも、俺は真亜咲が好き。
好きになってから、たぶん一年半くらい経つかな。





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