確かに能登の言うとおりで、子どものオモチャには詳しくない俺でも、それがいかにも未就学児向けのオモチャだと分かった。

それは良い!
もうこのまま、能登のアイデアをパクろうか?


「…能登、画期的なアイデアをありがとう」

「Bloodyから礼を言われるのなんて、初めてだよ。ってか、そこまで画期的か?」


チャイムが鳴ったので、能登は苦笑しながら本人の席へと戻っていった。


俺は数学の授業が始まっても、家庭科の宿題のアイデアを練っていた。

動物か…?
子どもにも馴染みがある、有名な動物が良いんだろな。
犬、猫、ゾウ、キリン、ライオン、狼、熊、ネズミ、兎……。

兎か…。それなら面白い話がある。
そこまで考えて、俺は一つのアイデアを出した。
やっぱりオモチャを作るのは無しだ。
兎のあの話を、絵本にすれば良い。
ちょっと子ども向けじゃないかもしれないが、“こういうのもあるんだ”という話としては面白いと思う。





.