ノロノロと顔を上げると、クラスメートで依頼人の下野俊秀(シタノ トシヒデ)の関係者・能登和明(ノト カズアキ)が、日直日誌を持って俺の前に立っていた。
……嫌な予感しかしない。


「Bloody、オマエ今日の日直だろ? 先生が、“Bloodyに渡してこい”って」


能登はそう言って、俺に日直日誌を差し出す。
黒板を確認すると、日直の欄には、俺の名前が書かれていた。
仕方無く、俺は嫌そうに受け取る。
この面倒な宿題の間は、本当に何もしたくなかったんだけど。
嫌な予感、的中。


「…ところでBloody、家庭科の宿題、どうする?」


コイツは、まだ俺に構うつもりなのか。
鬱陶しいし、物好きなヤツだ。


「別に。何も考えてない」


俺は出来るだけ簡潔に答える。
早く離れていけば良い。鬱陶しいし、それこそ宿題に邪魔だ。


「俺も俺も! 何をどうすれば良いか、分かんないよね」





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