実はこの赤い染みの正体として、思い当たる物が三つある。


そのうちの一つは、赤ペンのインク。
俺や流血みたいな学生なら、採点や暗記に欠かせない、アレ。ペンケースに一本は入ってる代物。
だけど、流血の部屋の家具の配置を考えると、赤ペンのインクがこんなに派手に飛び散る事は考えにくい。
何故なら流血の部屋では、ベッドは部屋の反対側で、窓際に置かれてるからだ。


次に考えられるのは、怪我による出血。
寝相でうっかり掻き毟っちゃって、それで出血したってトコか。
もしくは、寝る直前に手か足をぶつけて、指先の爪が割れて出血したとか。
……だけど、朝少しだけ流血を見かけた時、少なくとも手は怪我してなかった。
何より染みが広がりすぎてる。この量じゃ流血は体調が悪くなって、補習なんか行けない筈だ。


…それとも、流血は思い出したのか? 長い間、忘れているように行動してたのに?
覚えてるか忘れてるかも、あやふやだけど。
だから……?





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