おばさんにお願いして、三人分の冷えたトマトジュースを貰い、トシの部屋に向かう。

事前にトマトジュースを飲みたがったのは、何とDesireちゃん。意外だった。
理由を聞いたら、「吸血鬼には必要なんです」って言われて、細かい事情は教えてもらえなかったけど。


「トシ? 江梨子と、Desireちゃん。入るよー」


トシの部屋のドアをノックしてから入ると、クーラーの効いた部屋でトシはベッドに腰かけていた。
…何か最近、トシの部屋に遊びに来ると、トシはいつもベッドに腰かけてる気がするなぁ。気の所為?


「いらっしゃい」


トシの焦点のズレた笑顔に迎えられると、何か心がズキっと痛んだ気がした。
でも、それも今日で終わる。
私が終わらせてみせる。


「…で、Desireちゃん。どうすれば良いの?」


この場で何をどうすれば良いか、知ってるのはDesireちゃんだけ。





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