「用事があるから、先に帰りたい」と言うDesireと別れて、上野と二人で公園のベンチに座る。


傍から見ればカップルっぽいし、俊秀にバレたら殴られる事は避けられない気もする。
…アイツ、本当に上野のコトが好きなんだなー。


ベンチに座った途端に再び考え込み始めた上野に声をかけてから、自販機に向かい、俺と上野の分のスポーツドリンクを買う。
こんなに暑いと汗かきまくるから、水分補給が大事みたいだし。

ベンチに戻って上野にスポーツドリンクを渡した。



「ありがとう」

「いや、別に」


また黙った上野が話し出すのを、俺はスポーツドリンクを飲みながら待つ。
上野が次に喋ったのは、三分は経った後だった。


「…トシは、どうして決める事が出来たのかな?」

「は?」


上野は俯いていた顔を上げ、俺を見る。

確認してみると、上野のスポーツドリンクは開封されてすらいなかった。
それだけ真剣に考えてた証拠だけど、そんなんじゃ脱水症状になるぞ。





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