能登君の質問に、Desireちゃんはアッサリと返す。
そうか、吸血鬼って怪力なんだ……。

改めて人間との違いを感じて、少しだけど怖くなった。
やっぱり、人間とは違う生き物なんだ…。



「……で、和明と江梨子は良いとして、Desireは何で来たんだ?」



私が一番気にしていて、一番聞かれたくないタブーに、トシは容赦無く突っ込む。
うぅー、何て答えよう?

能登君を見ると困ってるのか、口をパクパクと開閉している。
見てる分には面白いんだけど、見ているだけのゆとりは無いし、目の見えないトシに能登君のギャグは伝わらない。
…いや、ギャグじゃないんだけど。



「…それは言えません」


私と能登君が困ってるのを見かねてか、Desireちゃんが先に答えた。
だけど、問題の答えになってない。

アンモラルは、依頼者の秘密は絶対厳守なのかな?
だけど、こんな答えでトシが納得するとは思えないけど…。




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