もしくは、全てを諦めたような虚ろな感じで、悲しそうに笑うんだ。
あんな笑顔、見たって嬉しくないよ。




「こんにちは、下野さん。二年のDesireです。覚えてますか?」

「……あぁ、覚えてるよ。Bloodyに願いを叶えてもらってる時に、Bloodyを後ろから殴ってきた子だろ?」



トシの部屋でDesireちゃんが挨拶したら、トシがとんでもない事を言ってた。
殴ったって…。Desireちゃん、意外と凶暴なんだ。

私がポカンとしてDesireちゃんを見ると、Desireちゃんはクスクスと苦笑してた。



「後ろから殴るなんて、いかにも卑怯みたいに言わないで下さいよ。凄く暴力的みたいに聞こえちゃいます。Bloodyをどけただけです」

「Bloodyだって男じゃん。そんなに軽くないだろ?」

「吸血鬼って種族は、全体的に怪力な人が多いんですよ。だいたいBloodyって、あんなにガリガリじゃないですか。そんなに重くないんです」





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