「次は、この荷物を全部持って、一階のロビーに移動するよ。で、受付で必要な手続きをして、家に帰れば良いんだけど」


私はそこで、少し不安になった。
これだけの荷物、家に運ぶのは大変だけど…、さすがに家まで運んでくれとは頼めないよね。
最悪の場合はタクシー捕まえて、二人にタクシー荷物積むの手伝ってもらえば良いか。
私、一応病み上がりなんだし、今回はタクシーの運賃くらい許してくれると思うんだ。

……だけど、そんな私の心配は、どうやら無駄だったみたい。


「これだけの荷物、一人で持って帰れないよね…。ウチ、家まで運ぶの手伝ってあげる」

「…友美、良いの?」


すると友美は、ニコニコしながら言った。


「当たり前でしょー。そんな事、遠慮しちゃ駄目だよ。江梨子は病み上がりなんだし、こんなに荷物多いんだし。……光子はどうする?」

「病院から江梨子の家の近くまで、バス走ってたよね? なら、あたしも手伝うよ。さすがに江梨子の家まで歩いて運ぶのは無理」





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