「トシはどうしたいのかなー? また目が見えるようになりたいとは思ってないのかなぁ?」

「…本心は知らないけど、俊秀の言う事を聞いてる限り、目が治すつもりは完全に無さそうだよな」


それが一番問題なんだけど。
病気だって、本人が治したいって思ってなきゃ、治るモンも治らない。

俊秀だってそれくらいは分かってそうなのに、上野の笑顔を一番見たがってたのは俊秀なのに、どうして今の目が見えないままの現状に満足しちゃってるんだろう?


「……分かった。能登君、教えてくれてありがとう」

「どういたしまして」


俊秀の彼女である上野の疑問が解消出来たなら、それは良かった。


「…にしても、明後日どうしよっかなー」

「明後日?」


明後日は確か…?


「いや、明後日には退院出来るから、もう退院しちゃおうと思うんだけど、退院の手伝いをしてくれる人がいなくて…」





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