ほら来た。
上野の性格だったら、気にしない訳が無いんだよ。

誰が話したかは知らないけど、他の人のする俊秀の話と、俊秀自身の話が噛み合わないって気付いたんだろうな。


ごめん、俊秀。オマエは“喋るな”って言ってたけど……。
それが俊秀と上野の為になるとは思えないんだ。



「…これから話す事は、俊秀には“喋るな”って言われてるから、絶対に内緒にして」

「うん、分かった」


上野が頷くのを確認してから、俺はまた俊秀に心の中で謝りながら、事実を話す。


「上野が考えてるように、俊秀はあの交通事故で目が見えなくなったんじゃない。俊秀はあの交通事故では、目に異常は無かったんだ」

「じゃあ、トシはどうして目が見えなくなったか分かる？」

「勿論。…アンモラルって知ってる？」

「…は？」


急に話が変わったからか、上野が間抜けな顔をしてる。
でも、それが事実なんだ。





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