さっきまでは凄く疑問に思ってたメールの返信の仕方だけど、種明かしされたら簡単すぎて拍子抜けしたもん。
…どうりでトシは目が見えなくてメールの内容を確認出来ないにも関わらず、ちゃんと返事が出来てたんだね。


そこまでしてトシがメールに返事をくれるのが、本当に嬉しかったんだ。

だけど、トシにそこまでさせてるのも申し訳無くて、出来るんなら私がトシの目を治すか、トシの目の代わりになりたかった。


……いや、出来ないって知ってるんだけど。





トシと能登君が帰ると言うので、私は能登君を呼んで耳を貸してもらった。
私が能登君に言うのは、一つだけ。


「トシのコトで教えて欲しい事があるから、トシを家に送った後に、また此処に来れる?」

「…分かった」


能登君が、私の目を見た。
きっと能登君は、分かってるんじゃないかな?

私が教えて欲しいのは、トシの目の事だって。





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