「俊秀は絶対に笑え。んで、上野の笑顔をまた見ろ。ずっとそうしたかったんだろ? そんで、二人で同じ幸せでまた笑え」





今の能登君の言葉が、トシに聞こえたかどうかは、私には分かんない。

ただ、私は能登君の言葉が本当に嬉しかった。
それと同時に、気になった事があった。


“んで、上野の笑顔をまた見ろ。ずっとそうしたかったんだろ?”
…私の笑顔をずっと見たかった? 誰が?
……トシが、だよね。

トシの目は、私があの事故で意識を失くした時から、私が意識も戻した今も、見えてないまま。
私の笑顔をずっと見たかった。ずっとそうしたいと、願っていた。
ずっと…って、いつから?

目が見えてないなら、私の意識が戻ったとしても、私の笑顔は見れないのに。



その後は話題を変えて、トシの最近のケータイの使い方を教えてもらった。
機種の設定を最大限に利用して、目が見えなくてもメールや電話を駆使する方法。





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