苦笑しながら話す能登君に、私は容赦無く言い放つ。

そう、私にとってはメインはトシであって、トシを連れてきてくれたのに悪いけど、能登君はどうしてもオマケでしかない。
だって私の大切な彼氏は、トシなんだもん。
…なんてね。


「さいですか。どうせ俺は邪魔者ですよーだ」

「いや拗ねなくても」

「あははっ」



能登君の拗ねに私が突っ込んだら、トシが笑ってくれた。
ピントが合ってなくても、やっぱトシの笑顔が見れるのは嬉しい。

……また、トシの笑顔が、私に向けられる日は来るのかな？
それとも、その願いは我が儘になっちゃうのかな？




「……それで、調子はどう？」

「まぁまぁ、順調だと思うよ。明後日には退院出来るって」


能登君の質問に答えたら、トシの顔がパァッと明るくなった。
ピントの合わない、キラキラした笑顔が、……妙に違和感があって切ないよ。





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