…それとも、トシが珍しく我が儘言って、看護士さんに付き添ってもらってまで、毎日のように私のお見舞いに来てくれてたのかな?
それなら看護士さん達の間で、私のお見舞いが話題になっちゃうのも分かるし。

……いや、さすがにそれは自惚れすぎか。



「ねぇ、母さん」

「何?」

「トシがお見舞いに来てくれた時って、誰かと一緒だったよね?」


だって、失明したばっかのトシが病院内を移動するには、慣れてない事もあって危ないもん。
特に、階段とかは危険すぎる。


「何言ってるの? 一人でお見舞いに来てくれてたわよ」

「……はい?」

「当たり前じゃない。さすがに皆、そんなに暇じゃないわよ」


…おかしいな。出来ない筈なのに。


「俊秀君は点滴付けてた時も、退院した後も、お母さんが知ってる限りでは一人でお見舞いに来てくれてるわよ。そこのサイドテーブルで宿題やってた事もあったわ」





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