「Desire、コレありがとう。面白かった」

「どういたしまして」


私は受け取った漫画雑誌を、積み重ねられた漫画雑誌の一番上に適当に置く。
流血は、漫画雑誌の塔の場所が、普段と少しずれてる事に気付いたみたい。



「…Desire、部屋の片付けでもしてんの?」

「ううん、押し葉を確認してる」

「押し葉?」


私は机に広げられた椿の押し葉を、流血に見せる。
流血は本当に驚いたみたいで、普段は動かない眉が少しだけ動いた。


「Desire、こんな事してるんだね。何の葉?」

「椿。大きくて固いから、押し葉で薄くして、半分に切って使ってるの」

「椿? 何に使うの?」


あれ? 流血は知らないんだ。
逆にこういうの、私よりも詳しそうな気もしてたんだけど。



「椿の葉っぱには、血を止める作用があるっていわれてるの」

「血を止める…。止血って事?」





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