家の冷蔵庫に“Bloody専用”と殴り書きしたトマトジュースのペットボトルを10本押し込んでから、台所で夕食の準備をしてくれてる拓斗(タクト)を横目に、私は自分の部屋に入った。


トマトジュースは、結果として報酬の血を私によって貰い損ねたBloodyへの、お詫びの品ってところかな。

だって見捨てる訳にはいかなかったんだもん。
想い合ってる二人が、片方を生かす為にもう片方が死ぬ、なんて。
Bloodyには申し訳無かったけど。



その後、一枚使ってしまった椿の葉を補充しようと思って、漫画雑誌の塔の一番下の、押し葉を机に広げて確認してみる。

椿の葉は大きくて固いから、私は押し葉にしてから、半分に切って使ってるんだ。




「Desire、入るよ」


ドアをノックしてから入ってきたのは、私が貸した漫画雑誌を抱えた流血(ルケツ)だった。
流血は漫画雑誌を私に差し出す。





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