その日の夕方、太陽光を避ける為にカーテンを閉め切った、クーラーをガンガンに効かせた部屋で、俺は漫画を読んでいた。

床には、 Desireがペタッと座って、これまた漫画を読んでいる。
いつもの光景だ。


何だか知らないけど、Desireは自腹で少年漫画を買わない主義らしく、流行りの少年漫画を俺の所に読みに来る。

いつかは、漫画喫茶みたいに金を取ってやっても良いとも思ってる。
俺と、俺の漫画の在庫の素晴らしさに、感謝するようになるだろう。



「ところでBloody」

「何?」


お互いに顔も見てない状態だったが、Desireが声をかけてきたので、とりあえず返事をした。


「試験中に交差点で起きた交通事故、どうなったの?」


……Desire、交通事故の事、知ってるのか。

俺だったら、他人が巻き込まれた交通事故なんて興味も無いし、ソッコーで忘れるけど。


「よく知ってたな。二年にも広まってるのか?」





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