ただ、俺の命を選んでも、江梨子の意識を選んでも、もう二度と前みたいには話せないだろうという事だけは、さすがに見当ついた。

下手すれば、もう二度と会えない。



そんなの、終わってる。
俺の将来も、江梨子の幸せも。
全ての可能性が、何もかも。

俺の将来よりは江梨子の幸せの方が、確実に大切なんだけど。
もう、比べる事すら出来そうにないよ。





「勿論、問題が問題だし、下野だって簡単には決められないだろうから、時間をやるよ。少し考えてみろよ、急かさない。どうして欲しいか決まったら、俺に教えてくれ」



何処までも冷酷で、上から目線な言い方で、 Bloodyは俺に猶予をくれた。



Bloodyは俺の願いを叶えてくれる立場だし、今の時点では俺の為に時間をくれてる訳だから、上から目線になるのは分かるんだけど。

さすがの上から目線すぎて、俺はちょっとイラッとした。





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