墓石の前には、燃え尽きたばかりの線香の束と、菊の花束が活けてあった


今でも、尊敬しています…


血の繋がりのない、その若者の中にも、彼は生きていた


私は、墓に彫られた彼の名を指先でなぞる


失った哀しみは、そこに刻まれた文字のように、永遠に消えることはない



……もう、涙なんか枯れたって…

思っていたのに


生きているうちは、
いくらでも出るんだね


でも


これは、悲しくて流した涙じゃない


嬉しくて、有難くて



出た涙



そして

私は今でも

あなたに誓った約束を守っているから



私がゆく日まで、
安らかに眠って下さい