真夏の雪


公園に着くまでに、聖瑠に貰ったチョコのアイスを食べ、聖瑠が話さないので、あたしがずっと一人で、喋っていた。




公園に着くと、聖瑠は木陰のベンチに座り、あたしもその隣に座る。



しばらく、黙っていた聖瑠はあたしとは逆の方を見ながら、




「父さん。お前の父さん、かっこいい人だな。」



優しく、言葉を選びながら呟く。



「空瑠美。お前、父さんに言いたい事言えたか?今は、辛くないか?本気で笑えてるか?」



最初は、意味のわからない事を言っていると、思ったあたしも気付いた。





これは、聖瑠の優しさ。





あたしは、ゆっくりと彼の質問に答えていく。


「お父さんにはね、まだ言いたい事たくさんあったよ。」



「……うん。」



「今は辛くないっていったら、嘘になるけど…大丈夫。お父さんと、約束したから。」



「…うん。」



「あたし、笑えてない?頑張ってるんだけどな…でも、大丈夫。これもお父さんとの約束だから。」



あたしが、一通り答えると。



「言って良いから。」



「ん?」



「俺を、頼って良いから。」



聖瑠は、今度はこっちをしっかり向いて言った。




「お前が、今まで父さんに話せなかった分、俺が聞いてやる。これから、お前を父さんが守れなかった分、俺が守ってやる。」



聖瑠の少し茶色の髪が揺れた。



あたしは、いきなり言われた動揺を隠せず


「で、でも、ずっとあたしを守れるわけないじゃん?」



少し、冗談めかして言うと
やっぱり、聖瑠は目をずらさず


「できるよ。お前が、結婚するまでなんだから。死んでめ、守ってやるよ。」



今度は、優しく笑った。