輝side

綾がいなくなってから、1ヶ月が経とうとしていた。

俺等の間では、“綾”という言葉は禁句になっていた。

そして、会話なんてろくにしなくなった。

海なんて、いつだってボーッとしてる。

神流は、一人で喋ってる。

聡一は変わらないけど、表情が硬い。

陽は、きっと1番動揺してる。

なぁ、どうして俺等を騙してたんだ…?

そう聞きたくても、もうキミはここにはいない。

ーーブルンブルン

その時、バイクの音が聞こえた。

ーードンっ

そして、1分も経たないうちに、そんな音が聞こえた。

輝「こんな時に誰だよ…」

そういいながら窓から下を覗く。

輝「…っ!綾蝶……」

その言葉に、みんなが身を乗り出す。

陽・海「ほんとだ…」

聡「おかしいですね…」

神「なんなんや…一体…」

それぞれ呟きながら、重い足取りで奴らの元へと向かった。