「みんな―!座ってくれるかな―? 今日は特別に歌を歌ってくれるお兄さんが来てくれました―。」 小児科の看護婦さんがそう言うと、 それまで賑やかに遊んでいた子供たちは、それぞれの椅子に座った。 ギターを持った俊が子供たちの前に座る。 「えっと・・・崎谷 俊です。 聴いて下さい。」 それだけ言うと、俊はギターを弾き始める。 子供たちの前でもいつもと変わらない口調の俊に、私は思わず、 「ぷっ・・・」 と笑ってしまう。