「アンドロイド……?」

「そう。人間そっくりに造られたロボットさ。“人造人間”なんて呼び方をされる事もある」


タカに説明されるまでもなく、ナナはアンドロイドが何かは知っていた。ただし、それはあくまでも小説や映画といったフィクションの世界での事であり、現実に存在していたなんて知る由もなかった。


「君は、お父さんが軍事のためにアンドロイドを開発してたなんて、知らないだろうな?」


ナナはコクッと頷いた。父親がロボット工学の世界的権威である事は知っていた。しかし具体的にどんな研究をしているかは、全く聞かされていなかった。


「軍事って事は、あなたは戦士なの?」


とてもそんな風には見えないが、タカが戦場で武器を使い、人間である敵の兵士達を、情け容赦なく次々と殺していくシーンを思い浮かべ、ナナは身体を固くした。