「すまない。その隠し事というのはだが……君は僕の心臓の鼓動をキャッチしてるんだよ」

「えっ、嘘!」

「本当だよ。うまく装置が作動していればだけどね」

「そうなんだ……。知らなかったわ」

「それでだ、もし僕の心臓の鼓動が止まったら、あるシステムが起動する」

「システム? どこで?」

「それがその……君の体の中でだ」

「私の!? どんなシステムなの?」

「それが問題なんだよなあ。君は怒るだろうか……」

「そんなの、聞かないと分からないでしょ? いいから言ってみて」

「わかった。言うよ。君の体を半分乗っ取る」


ナナは再び目を丸くした。


「乗っ取るって、誰が?」

「もちろん……僕さ」