「もう、タカったら冗談ばっかり……」

「いや、本当だって。おかげで僕は君に恋をしてしまった。初めは娘に対する感情かと思ったが、どうもそうではないらしく、君を女性として愛してしまった。そう結論したよ。

僕は直ぐに仕事を辞めた。十分な貯えがあったし、軍事目的の開発なんて、全く未練は無かったよ。それよりも、僕は君と過ごす事を優先したんだ。

そして嘘の記憶を作り上げ、それを君にインプットし、僕は初対面の男を演じた。君と恋がしたかったから」

「そう……。でも、なぜあなたはアンドロイドのふりをしたの?」

「うん、それには二つの理由があった。ひとつは、君の能力で僕の心が読まれたら、あっという間に嘘がばれるからね」

「あ、そうよね!」

「もうひとつは、実はこっちの方が僕としては重要なのだが、アンドロイドとしての僕を受け入れてもらう事で、君自身がアンドロイドである事を受け入れてほしかったんだ。この意味は、解るよね?」