「僕はね、ある研究所でアンドロイドの開発に加わっていた。軍事目的のね。自分で言うのはおこがましいけど、僕は“ロボット工学の天才”と呼ばれてた」

「天馬博士って、自分の事だったのね?」

「まあね。その傍ら、僕はこの屋敷でプライベートにアンドロイドの開発をしていた。もちろん軍事目的なんかじゃなく、僕の作りたいように、理想のアンドロイドを」

「それが私なのね?」

「そうだ。君は僕の知識と技術の全てを注ぎ込んだ最高傑作だ。ほぼ完璧だった。でも、少し失敗もした」

「えっ? どんな?」

「それはね……」


タカはそこで言葉を切り、ナナの頬を両手でそっと包み込んだ。優しく、愛おしむように。


「君は魅力的すぎた」